「モンサントの不自然な食べ物」

2026.4.19取材

「秋田ミネラルオーガニック給食をすすめる会」主催のDVD上映会に弊会スタッフ2名が参加しました。
 

 同作品は18年前に作られ、はじめはヨーロッパでドキュメンタリー番組としてテレビ放送されました。フランスのジャーナリスト、マリー=モニク・ロバン氏(女性)が巨大多国籍企業モンサント社と戦いながら制作したものです。


まず、モンサント社はアメリカの多国籍バイオ科学メーカーで、2018年にバイエルに買収され、現在は企業名は消失しています。遺伝子組み換え作物から、過去にベトナム戦争で使われた枯葉剤、農薬、ラウンドアップ(除草剤)、PCB、牛成長ホルモンを扱ってきた企業です(この情報はウィキペディアで公開されています)

この作品は、監督が「モンサント社」に関するインターネット情報を検証し、取材する…という形式でストーリーがすすんでいきます。思わず「頭がいいなあ」と唸りました。あらかじめインターネットで調べた機密文書を軸に、10カ国の証言者(メキシコ、パラグアイ、米国、ベトナム、インド、英国、イタリア、スイス、ノルウェー、フランス)にインタビューを行い、モンサントの主張と現実の彼らを照らし合わせています。これは監督がモンサントから告訴されるのを避ける手法でもありつつ、「あなたも検索すればこんなに簡単に知り得る情報だよ、見て見ぬふりはできないよ」と、見る側へのメッセージも兼ねていると感じました…18年後の私たちにも刺さるほどに。案の定、ホームページには監督のそんな意図があったと書かれていました。


作品ホームページを見て気になった文章は以下の2つです。


・この作品はフランスでは視聴者数160万人を記録、ドイツでは「環境メディア賞」を受賞。政治家も多くがこの番組を視て衝撃を受け、EUやヨーロッパ各国のGMOをめぐる政策にも大きな影響を与えたといわれています。

お茶の間(のテレビ)で、こうした真実が普通に共有されていることに軽く驚きました。家族みんなで(子どもたちも!)それがタブーではなく、自分事として考えることができるなんて!

※と思ったところで、自分の意識下で「日本では触れてはいけない、企業様やお国に従わないといけない」という縛りがあることに気づきます。

諸外国(とくにヨーロッパ)の人が持つ、自分が食べるもの、選ぶものに「消費者として当たり前のように責任を持つ」感覚は、そういった家庭の姿や、メディアの在り方から来ているのだと感じました。

・農業、食の安全、医療、あらゆる分野で影響があるとされるTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)など、 急速に進む経済のグローバル化。作中に登場する各国の深刻な状況は、経済のグローバル化が進んだ、明日の日本の姿かもしれません。

と、書かれている一文を読んで検索。そしてヒットした「長周新聞」の記事

https://www.chosyu-journal.jp/shakai/18369

・モンサントは20年前から日本の種子市場を狙ってきており、すでに野菜の種子は多国籍企業に支配されている。30年前まで野菜の種子はすべて国産だったが、今では90%以上を外国産が占めている。民間が主体となっている野菜は、圧倒的な技術力と資金力を持つ数社の多国籍企業が、中小の種苗会社を次々に買収し、シェアを拡大している。


と、あります。

また、すでに同社は水の支配にも乗り出していると言われています。



この上映会を主催した「秋田ミネラルオーガニック給食をすすめる会」(愛称:秋田モクス)の代表・畠山 澄さんは、フリーの栄養士として「おいしく、楽しく」をモットーに各地で講演会等の食育活動を行っています。

上映会では、澄さんの美味しい“ミネラルねりねり味噌汁”も振る舞われました。また上映会終了後は、ファシリテーター小山田聖子さんの進行でディスカッションも行われました。参加者たちは、きっとアンテナが似ている者同士なんですね。感想を言い合ったり、情報交換をして大いに盛り上がりました。

「自分に何ができるだろう」そんな想いを改めて胸に抱きながらそれぞれ帰宅しました。


【畠山 澄さんの活動】

MAMANI

奄美・沖縄地方の伝統的な乳酸発酵食品「ミキ」の製造・販売と、料理教室。発酵をキーワードにカラダにいいものを作ったり、食べたりできる場をつくっています。

「秋田ミネラル・オーガニック給食をすすめる会」(愛称:akita_m.o.k.s)

子どもたちの給食にミネラルやオーガニックを取り入れるという目標に特化して活動中。

https://www.instagram.com/akita_m.o.k.s/

弊会の各種講演会の壇上でも、色々とお話くださっています。微力ながら、 これからも応援していきます。

 

 

「学校給食無償化に向けたつどい」

2024年6月16日、にぎわい交流館AUにて、秋田市の小中学校の「学校給食無償化に向けたつどい」(主催:学校給食無償化と安全な食材をめざす秋田市民の会 代表:田口則芳氏)が開催され、当団体の近藤正准教授(秋田県立大)が講演をさせていただきました。

田口代表や【新日本婦人の会秋田支部】の生田目静子氏からの、子どもの出生率が全国で最下位だからこそ子育て世帯を大切に!財源がないからできないではなく「何を大事に考え財源を使うか?」が大事!という言葉が胸に刺さりました。秋田県内では2024年現在、湯沢市・男鹿市を含め2市4町3村が給食費の無償化が実施されているそうです。
また、成長期の子どもたちに農薬や化学肥料を使わない食材を与えたいという提案も「あきかん」の想いと重なりました。

近藤正准教授からは「子ども達に安全な食材での給食が必要なわけ」と題しお話させていただき、秋田市の水道水のネオニコチノイド系農薬汚染の調査報告などを参加者70名の方々に伝えることができました。また、日本の食の危機(食料自給率10%未満)、農の危機(過疎化/高齢化、大規模化→収益性→農薬依存)、ネオニコの日本安全基準が世界とはかけ離れた高い数値に設定されている事実、現代農業の実態として八郎湖のアオコ問題、未来にあるべき農業の姿としてアグロエコロジーの必要性などお話させていただきました。
生態系はどこか一つ崩れると大きく崩壊、むしろ生態系を保全することは長い目で見て経済的なのだと語る近藤准教授の話を聞いて、来場の皆さんが大きくうなずく姿が見られました。

 

熊の問題も然り、虫が減る、元々あったものが人間の都合で差し替えられる、ほんの少し経済を優先…人間にとっては些細な、その一つ一つが実は大きなブーメランとなって、わたしたちに返ってくる。そんなことを感じる昨今です。 

星信彦先生のオススメの書籍。

伊藤貴子さん

「つなぐ便」(現在は「ベジ楽」)として秋田県内の有機農家さんの野菜と一般家庭の食卓を繋いでいる伊藤貴子さん。わたしたち「あきかん」メンバーも日頃大変お世話になっています。貴子さんが運ぶ野菜をわたしたちは毎週水曜日(ところによっては木曜日)、首を長くして待っています。

 生産者と貴子さんの信頼関係があるからこそ「儲け度外視のボリューム」かつ「有機野菜詰め合わせなのに1500円」が実現。貴子さんの想いだけで成り立っているのでは…と心配になりつつも、ありがたい仕組みで毎週お願いしています。

 そんな貴子さんにこの取り組みを始めた背景を聞いてみました。

「7年くらい前、兄ががんで亡くなったんですけど、悲しくて悲しくて仕事が手につかなくて思い出しては泣いて。私は子どものためにも絶対に長生きしよう、兄の分も絶対に健康で長生きしようと思って、振り返って自分の体のことを考えたら、本当に食べているものがひどすぎて。

 働いている時って片手で食べられるものばかり食べたりしませんか? 移動しながらコンビニでおにぎりとかサンドイッチ買って、仕事しながら食べる。これはダメだなと思って。食べているもので体はできているんだよ、という言葉を聞いて、ほんとそうだなと思って、まず食生活を変えたんですよ。そうしたら野菜と麹と玄米食に変えたら、1ヶ月で6キロぐらい痩せたんですよ。そうしたら兄が亡くなったばかりだし、周りの人たちにかなり心配されたんですけど。でも自分的には気持ちも晴れてきて、体調も良くて、体は軽いし。

 それで地物の野菜を探してみたら、スーパーに意外と売ってないんです。だから直売所や道の駅に行ってたら興味がどんどん湧いてきて、秋田の野菜のことが分かってきて。

 そうするうちに、ふきちゃんという有機農家さんに出逢って、ほうれん草を買ってみたらとっても美味しくて、何だこりゃ!と。そしたら彼女が自分の畑も見せてくれて、手伝わせてくれました。それですっかりハマってしまい、今度は色々な農家さんを探して買いに行くようになりました。そうしたらもう体も元気になるし、美味しいものもあるし、じゃあ知り合いの人に教えてあげようと思ったり、届けたいなと思って。何よりも有機農家さんには販路があまりにも少ない。長く続けてもらうために私が販路を見つけてこようと思って」

 食べているもので体はできている。思わずドキッとしました。

 紹介したのはほんの一部ですが、こうして活動されている貴子さんの取り組みや想いは各メディアで紹介されています。秋田の環境を考える県民の会は貴子さんの活動を応援しています。

 

「ヤマチョウ」佐々木大作さん

農薬、肥料、除草剤を使わない米作りの「ヤマチョウ」佐々木大作さん。鳥海山の麓の米農家さんです。

「ちゃんとしたものを遺していきたいっていうのありますね。自然を汚して農作物をとるんじゃなくて、自分たちがここ汚したら海も汚れる。そしたらそれってまた人に帰ってくるわけだし。

 そういうのを考えてやっていければ、皆ちゃんとしたもの食べられるんだし、肥料・除草剤使わないってところは、自分が納得できる。今、自分がよければいいってことじゃなくて、これから先の子供達、次の世代に何がのこせるかって、自分が魅力を感じた農業っていうのをやって、それでちゃんと生活できるっていうのを見てもらえれば…今の若い人にその魅力が伝えられればいいなって」

信じた米作りの道へ邁進する佐々木さん。

ヤマチョウさんのお米はこちらから購入できます。

https://yamachonikah.thebase.in/

​ヤマチョウさんの紹介動画です。

https://youtu.be/7jfb2E9en1g?si=x6zU5miv1hk150Z3